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『う』 嘘・うそ  そして・・・ウ・ソ・ツ・キ・・・

   【
       真実でないこと。また、そのことば。いつわり(広辞苑より)

 あるトラブルがあった。発端はある間違いを起こした少年のついた嘘。

 少年ではあるけれど、もう責任の取れる年齢。周りの大人たちは彼が嘘をついていることはわかっていたのでそれを認めさせ、トラブルを解決すべく動いた。

 少年もやがて嘘を認め、犯した間違いについて謝罪の意思があることを確認した。
 それでいい筈だった。

 そこに出てきたのが、その少年の指導的立場にある人物と保護者。

 彼らは少年が嘘をついていたことを認めてしまうと自分たちの責任を問われることを恐れた。
 ただの親ばかかもしれない。
 彼らの思考回路が出した結論はこのようなものだった。

 「少年は、自分の身を守るために確かに真実と違うことを言った。けれど、それは嘘とは距離のあるものだと思う」

             《真実とは違うが、嘘とは距離のあるもの》

 それを表すコトバをわたしは知らない。

 そのあいまいな観念により、少年にとっての真実さえあいまいなものになってしまった。
 
 結局そのトラブルはいまだに解決していない。
 
 少年の苦しみは続いている。


 
もちろんわたしも嘘をつく。理由は様々だし、それに対して言い訳をするつもりは無い。
そのときについた嘘の結果がどう出ようと自身の責任においてそれを引き受ける。

だから、嘘をつく人をそれだけで否定はしない。
その嘘の内容によってその人を判断する材料にする。
その嘘を、どうしたら真実とすりかえられるか、考える。
嘘をつこうとして言ったコトバの中に、ときたまうっかりと真実が紛れ込んでいるので隙を見てそれを引き出す。
 
 
 わたしは嘘をついている相手に面と向かって「うそつき」と言うことは、まず、ない。

              《貴方は嘘をついている》
       
         わたしはそれを大切な人にしか言わない。



 

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by fusyou-kumahachi | 2006-05-08 12:30 | yume

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