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『け』 携帯電話 チャクシンオン

夜中近くにかかってきた 貴方からの電話

明日の朝が早いことを知ってはいても
声を聞いていたくて なかなか切ることができない
コトバを探して 
天使が通り過ぎてゆく間も
黙ってわたしを待っていてくれる

そのやさしさにいつまでも甘えていたい

そのココロを突然ざわつかせるのは
貴方の携帯から聞こえる
メールのチャクシンオン

コロコロと 貴方には似合わないかわいいオトで
貴方をどこからか呼び出しているヒトがいる

貴方は聞こえないフリをして わたしとの話を続けてくれる
10分おきに 3回

3回目にわたしは耐え切れずに声をかける

「ごめんなさい もう切るね?」

貴方は困ったように笑いながらこたえる

「きこえた?ごめんね。向こうに追いやっておいたんだけれど」

貴方を呼び出しているのは誰なのか
そこに答えはない

「おやすみなさい」を交わしてもわたしは眠りにつくことが出来ない

今貴方を独り占めしている誰かに嫉妬する
それが忙しい貴方の仕事でも
ほかの誰かでも

わたしはいつも不安になる
遅い時間にもかかわらず 電話を掛けてきてくれる貴方のココロを
「声を聞けて話ができることが 安心するから」
と メールではなく 時間をとってかけてきてくれるココロを

わたしも何より貴方の声を いつまでも聞いていたいほど大切にしているのに

そこにはいない誰かのチャクシンオンに ココロを乱されてしまう
わたしのココロの 情けなさ

貴方を信じているのに
貴方を誰よりも大切に思うのに

声を聞くより
いま
貴方の温もりを近くで感じたい
貴方の一番傍にいたい

携帯の電源をそのひとときだけは
切っていて下さいと願いながら


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by fusyou-kumahachi | 2006-05-12 12:00 | ututu

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