2006年 07月 09日
gear 歯車
古い時計の中にある
くるくると回るたくさんの歯車
大きな 歯車
ちいさな 歯車
ゼンマイのちからを伝えて回る
くるくると くるくると
早く回る 歯車
ゆっくり回る 歯車
それぞれが それぞれの役割を果たし
ひとつが止まってしまったら
そこで時間が止まってしまう
見掛けは壊れていなくても
内部の世界の均衡は 崩れてしまう
いらない歯車は 一つ足りともなく
いつも丁寧に 磨きこまれ そこに必ずはめ込まれる
ちいさな時計の中の
閉じられた 空間の中にある
これは とてもちいさな世界
わたしの存在する世界は 時計の中よりは大きい
ここには ゼンマイはないけれど
わたしを動かす力が 有る
わたしは此処で
歯車として
道具として
世界を動かす 一部となる
時計の中の ちいさな世界とは違い
わたしは ただ 動かされるだけでなく
わたしの内部に ゼンマイを持ち
自分の意志で動く事が出来る
くるくると くるくると回る
ちいさな ちいさな歯車だけど
貴方とかみ合い
周りともかみ合い
時にそのスピードに振り回され
その重さに疲れ果てても
時にその大きさの差に翻弄され
貴方がイチ回転するあいだに
わたしはくるくると何度も回り
わたしがイチ回転しても 貴方をほんの少ししか動かせず
その無力感にさいなまれても
それでも時に ぴたりとあった歯車に
互いの回転が同調する事のシアワセを感じ
ほんのわずかでも 誰かに何かを伝え
動かす事が出来たわたしに 価値を見出す事が出来る
gear
歯車として
道具として
誰かを動かし 何かを伝える
時に世界に翻弄されても
それでもわたしは 自身の意志で
くるくると くるくると
回り続けていく事を 希みつづける
↓哲学してるつもりはあまり無いのですが、”コトバを捕らえるために”クリックお願いします。
by fusyou-kumahachi | 2006-07-09 23:59 | ututu