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そのとき

そのとき

わたしは好きなバラエティを見ていた
そろそろクライマックスという時間
急に画面が切り替わった

画面に映るものは不思議な光景
双子のビルの片一方から煙が上がっていた
何が起こっているのか
映し出すTVですら判ってはいなかった

どこのチャンネルを回してもおなじ光景
何も判らないままの 非現実的な光景
ただ
画面の隅の「LIVE」の表示だけが
それが現実に起こっていることだと告げていた

そしてわたしはさらに信じられない出来事を目にする
飛行機が何の迷いもなく残った双子の片割れに突っ込んでゆく
たくさんのヒトが
世界中のヒトが
それを見ていたのに
誰一人として止める事が出来なかった

もちろんわたしにも
なす術があるはずはなかった

時折流れるレポートで
ほかの場所でも同時にオナジコトが起こっている事を告げている

一瞬で失われた命
これから消えていってしまうであろう命
それをただ見つめているしかなかった
何もする事が出来なかった その他大勢のヒトリとして
ただ 祈るだけしか出来なかった ヒトリとして

失われたものは 数字に表れた命だけではない
そのひとつにはたくさんの想いがあり
その重さは
奪ったほうも
奪われたほうにも 等しい哀しみを与えた

そしてそれはただ 見ていることしか出来なかったわたしにも
大きな想いを遺していった
大切なココロを奪っていった

わたしが信じていたものは どんな価値があったのだろう
わたしが愛しているものも こんなに簡単に失われてしまうかもしれない
わたしの中の大切にしていたたくさんの『好き』が 
いったいなんの役に立ったのだろう

今 確かに目の前で
たくさんの愛しいヒトタチが一瞬にして此処から消えて
たくさんの『好き』も一緒に消えた
目前で崩れ落ちた双子のビルと共に
すべてがZEROへと還っていった

それは同時にわたしの中のココロも連れて行ってしまった
わたしだけではなく きっとそれを見て居たたくさんのヒトのココロから
残されたものは 憎しみと 怒りと 哀しみだけ

それでもやがて わたしは残されたものがそれだけではない事を知る
最期に残されたもの 最期に伝えたかったものは 
大切なヒトに伝えたい気持ちだったと

空に放つべきものは 憎しみと 怒りと 哀しみだと
ココロに残すべきは 大切な想いと 愛しさと 好き

あの日を忘れる事はできない
それでもまだ気付かないヒトに 伝えたい
相手から 大切な想いと 愛しさと 好きを奪い取っても
それは決して自分のものにはならない事を

自分のココロの中にある 憎しみと 怒りと 哀しみを少しでも空に放して
作り出した場所に 芽生えるものだと

                        
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どんなに相手のコトが理解できなくても 相手の『好き』を奪い取って自分の『好き』を押し付けることはできません。自分の『好き』を奪われたからといって相手から『好き』を奪い取ってもそれは自分の『好き』にはなりません。それで満足したような気になっても、それは所詮まやかしです。
『好き』の代わりにほかのコトバを入れても同じだと思います。そのことに早く気が付いてくださいと願わずにはいられません。相手から『好き』を奪うことに躍起になっているヒトタチに…
                    
                              ☆9.11に思うコト  『好き』 特別編☆ 

by fusyou-kumahachi | 2006-09-11 17:09 | ututu

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